歴史編

人と未来のために

「日本の将来は教育にあり」。これが「財団法人上月教育振興会」設立時の理念である。1982年、兵庫県教育委員会により「財団法人上月教育財団」の前身である「財団法人上月教育振興会」の設立許可を受け、当初は兵庫県の教育関係者に対して助成をするなど、兵庫県内のみで活動していた。歳月を重ねていくうちに一つの地域だけでなく、日本全体に対して目を向けるようになり、本拠地を東京に移して今日に至っている。30年の間に幾度も試行錯誤し、困難を乗り越えてきた。それは、現在の発展につながる歴史でもあった。財団は30年前、「将来の日本を背負って立つ人間を育てること」という考えを趣旨に掲げて産声を上げた。

当初は教育・文化の振興と発展に寄与することを目標にスタート。そして、2000年には情報教育の振興に資することを目的に「財団法人上月情報教育財団」を設立し、2002年からは教育・文化のみならずスポーツ界へも支援の幅を広げ、2003年に「財団法人上月スポーツ財団」を設立した。

そして2005年に3つの財団を統合し「財団法人上月スポーツ・教育財団」として次世代を担う優秀、有能な選手の発掘や育成、研究助成、各種の競技大会を支援するなど、活動を展開している。

これまで、選手の競技力強化の面で、また、練習のための環境づくりや選手たちのモチベーションを高める点で、財団が果たしてきた支援は徐々に大きな力となってきた。競技成績の向上を期待して縁の下の力持ちになって応援するという強い気持ちが伝わり、選手や指導者は現在も成長し続けている。競技成績に加えて一人の人間としても一流の人物に成長してほしいと思慮しながら支援してきた。公的な助けではなく、民間レベルで行っている事業である。

財団はさまざまな事業を行ってきたが、当初は支援の実際の実施方法が手探り状態だったこともあって、紆余曲折を経て、理事、評議員ら多くの方々の助けを借りながら、社会から求められる事業を推進してきた。「次世代を担う方々のために役に立ちたい」という基本的なスタンスと確固たる方針が、今日の財団のバックボーンである。
教育・文化・スポーツのために、かげながら支援を続けてきた歴史を6章に分けて紹介する。

財団の略歴